「松丸本舗主義」読了

当方、松岡正剛松丸本舗も全然知らないモグリのバカせどりなので、得るモノ多く楽しめました。

序盤にあまり他では見たことのない「アブダクションによる企画編集」という仕事術が披露され、そこからダケヤマさんを介して利潤を追求する丸善批判に終始するのかといえばそうでもなく、松丸本舗の始まりから終わりまでがどうだったのかがなんとなくわかります。

需給のスキマをカテに食っていくという自身の立ち位置からして、そういう目線で舐め回していくのですが、手法を真正面からパクるのは根本的に不可能。大将の知識(読書量)が桁外れなのはもちろん、店員も全て黒母衣衆で固めており、片田舎の雑兵がなにをいわんや、嘲笑頂戴するまでにも至らぬ事を自覚する次第です。

じゃあせめて搦手までどうたどり着くのよ、となるとやはりコツコツと本を読むしかなく。何の本を読むのよ、好きな本を。となると、自分の得意分野に対して専門性、優位性を得られるよう研鑽しプロフェッショナルになりましょうと雑兵が申します次第にて。

例えば「三冊屋」という売り方が出てくる。これは書店員が選んだ三冊をセットにして販売する手法であり、真正面からリスペクトするとすれば「ヤフオクでゴミ本3冊まとめて売ろう」。決定的な違いは、汚れや使用感の話はさておき、「なぜこの三冊なのか」という説明書きが付くということ。読んでないと書けないし、推すだけの何かがあるようなセットが作れるかといえば作れない。今の私は、黙って吉本ばななを3冊まとめて「状態:並」と表記するしかほかない。かも。脳汁垂らしてがんばろー!




メモ 千夜千冊のレビューから抜粋

図書館と古書店を利用すれば同じ予算と同じ書架の面積で何十倍何百倍の知的な投資効果が得られる。たとえ専門の学者が書いたとしても紹介記事から得られるものが原典を越えることはない。著者には悪いが本書よりも著者が取り上げた本の原典を一冊でも読むほうが知的な満足度は大きいと思う。
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4763006428/


あと、こんな超弩級セレクトショップに対して「回転本を置かないのだから潰れて当然」と上から目線で誇らしげにつぶやいてるギョーカイ人wの方もいますが、そんな人だらけだったらその辺の金太郎飴書店も一生安泰ですね。