うんこしないアイドル

売り上げが良ければ純粋に嬉しいですが、本を売ること自体に楽しみは見出していません。

本に限ったことではなくて、ビジネスフォン、ソーラーパネル、美顔器を売ることに楽しみを見出していない人もたくさんいるだろう。それがつまり仕事でビジネスなのでは的な。楽しいとか楽しくないとかの話なのかな。アイデンティティがどうとか質問されても答える自信ない。ボクチンはザ・ネット弁慶だからそういうのは想像するだけで怖い。


「みんな思ったよりカネ持ってないし働いてない」というワードが近年自分の中ではモヤモヤしていて、そんな中で「せどり儲かりまっせ」「転売 ナカーマ」「特典満載の豊富な(クソ)教材」が渦を巻き、僕たちは今まさに下流下克上総転売社会の醸成を目の当たりにしているのだ。下流下流を食っているようにも、下流が上流を食っているようにも思えるし、包括的にはいつものように上流が下流を食っているだけのようにも思う。中流は上にも下にも批判をしてくる。


最初は何やっても楽しい。例えばAmazon初売れのあの時とか、初めて一万円超えのブツが売れたあのときとか、20冊まとめ買いされた時とか、ランク200万超えがすぐに売れた時とか、1タームいくら超えたとか。ある程度やっていくとだいたいの嬉しかったことは「ああ、そうか」ぐらいの気持ちになる。要望や問い合わせがあれば「ウチにまかせてくださいよ!」。とやっていたものは「ああもう面倒くせえ」。ブログやツイートの内容はその日のYahoo!トップニュース、その日食ったもの、大して珍しくもないクソランク低価格の売れたもの、リスカ痕の写真。


本に全然興味がない知り合いセラーはいる。面白い本をしこたま持ってやがるのに何も読まないし、読む気もない。最安で出品して、相場が下がれば捨てるだけ。口癖は「なんか他に売れるやつない?知らん?刈り取ったやつはな、文句つけて返金させたらええねん 家電めっちゃアツいで!本邪魔やわー」
せっかく本を商材にしている(大体どこにでも、大体なんにでも情報にアクセスできる)のに、もったいないな、とは思う。昔はそれをわざわざ口に出したけど、これは常識的な人付き合いという概念からすると間違いらしい。本に書いてあった。